「融資は目いっぱいすべし」
経営に必要なものは、言わずと知れた「ヒト」・「モノ」・「カネ」。
その中の一つであるカネを調達する融資つまり借金は、経営において非常に重要なものとなります。ただ、当然のことながら借金に対しては”金利”も発生するため、不要不急の資金であるなら、わざわざ借りたくないという方は、結構います。
まぁ、気持ちはわかります。
我々日本人は、借金が大嫌いな人が多い。でも、あなたが事業家であるならば、これは大間違いです。融資なんか、目いっぱい借りておけば良いのです。
そもそも融資は、返済可能だと判断されるのは信用力の証であって、リスクではないし、融資を受けないことの方が、よっぽどリスクとなることが多い。
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事業家・経営者なら借金をすべき理由
経営者なら借金をすべきその理由は、次の3つです。
① 本当に業績が悪い時は、融資を受けるのは大変
例えばサラリーマンから脱サラして、一度自営業を始めたら、撤退が一番難しい。
なので、結局限界まで行ってしまう人が多いものです。であれば、どうせ後で借りるお金ですから、借りられるうちに目いっぱい借りておいた方が得ですよね?
本当に必要で借りたくても貸してくれない時には、もう手遅れです。もちろん、多く借りれたからといって、「接待」にかこつけた意味のないキャバクラ通いなど、無駄遣いをしてしまっては本末転倒となってしまうのは、言うまでもないことですが。
② 手元に資金があるという安心価値
いざという時のための、安心料だと考えても安いものです。
銀行口座にとりあえず100万単位の残高がある安心感を想像してみてください。
目先の資金繰りに追われていると、クリエイティブにもなれないし、なにより家族や社内がギスギスします。何事も焦ってことに当たっても、ろくな結果がやってこないのは、人生も経営も同じです。
③ 最近の金利の安さ
あなたが計画している自営業からの生み出される利益の利回りは、
その借金の金利より低いということはないはずです。
最近の銀行の貸し出し金利は2%前後です。
2%ですよ、たった2%。
現在のその安い金利を上回るくらいの使い方ができなさそうなのであれば、そもそも自営業をやるべきではありません。
たとえば、500万を5年で返済したとして、2%の場合の利息の累計額は約25万円になります。
たった、25万円です。
実際には、政府系金融機関である日本政策金融公庫以外から借りる場合には、保証料がかかったり、印紙税などもかかったりしますが、逆に制度融資での利子補給や保証料補給などの利子の支払いを実質的に減免させる制度もあります。
もちろん、使える制度は使い倒します。
株式投資をやっている人でも、配当金の高い銘柄なら年間4%とかの収入になりますよね。
借金の金利が2%に対し、配当収入が年間4%。
借入金利 VS 事業投資利回り
さらに、具体的に考えてみましょう。仮に、500万円をかけて小さな飲食屋を出店し、毎月の借金返済は別として、月30万円分の生活費を稼ぐことができるとします。
すると、500万円が1年間に360万円を生んでいるわけですから、利回りはなんと72%。
一般的にハイリスク・ハイリターンの自営業において、リスクとリターンは一致しているという前提がある場合、そもそも『株式投資よりも安い利回りで資金が調達できる』なんて事自体が、正直ばかげた話です。
「自営業なのに、なんであなた、おカネ、借りないの?」
まとめ
これから自営業でやったろう!
という人が、配当狙いの株式投資よりも高い利回りが出せない計画であるのなら、そもそもそんな計画自体が最初から破綻しています。脱サラは辞めて、おとなしく預金か、せいぜいリスクの少ない投資でもしていましょう。
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色々言いましたが、もちろん”例外“というものはあります。
事業家でも、お金を借りないほうが良い場合。
それは、金が余って余って仕方がない超資産家の人や、逆に、金があればあるだけ使ってしまうダメな人。
お金が手元に十分にあるのに、さらに借りることにはあまり意味はないし、借りたお金をロクでもないことに使ってしまう人の場合には、本末転倒な事態が発生する可能性があります。
こういう人達には、また別のセオリーがあると考えていますが、ここの深堀りはまた別の機会にしたいと思います。