「消費者金融の枠を確保する」
個人事業主や社長としては「消費者金融」と聞くと、事業者として絶対に手を出してはいけないような、ネガティブなイメージがあるようです。でも消費者金融も、私は使いようだと思っています。
実際に私自身では、某社で数百万の枠を確保しているし、銀行系カードローンでも同じだけの枠があります。さらにはお客様にも、「いざというときのために、カードは作っておいては?」と進めることもあるくらいなのです。
消費者金融を利用するために知っておくべきこと
資金調達コスト、つまり「借入」による金利を、金利の安い方から並べてみると、だいたい以下のようになります。
① 住宅ローン(変動なら)1%弱
② 銀行融資 1~3%
③ リース 5~8%
④ 銀行系カードローン、ノンバンク 5~18%
⑤ 消費者金融 15~18%
⑥ 闇金 18%超
このように並べてみると、確かに消費者金融の金利は高いですね。
そう、「金利」だけを比較するのであれば。
でも、”あちら”も商売である以上、当然ながらリスクとリターンを考えながら値付けをしているわけです。
つまりですね…
はい、ちょっと目を閉じて想像してみてください。
例えば、年利が18%だったとして、月利に直してみると1.5%。ということは、100万円を1ヶ月借りたとしても、金利はたったの1.5万円です。
そして、何の担保も無しで、1か月後には返す。その時には、1.5万円を利息としてきちんと払う予定だからと言って、100万円を即日用意してくれる他人っていますか?
もしくは、友人に頼めますか?自分なら貸しますか?
…私なら貸しません。他人の場合。
なので、いざという時には、結構貴重だと思うのですよ、この融資枠も。
消費者金融のメリット・デメリット
消費者金融のメリット・デメリットはこんな感じです。
<メリット>
① ビジネスチャンスを確保できる
→例えば特に不動産投資をやっていると、よい物件が出てきた場合などに、「手付」として数百万をすぐに用意しなくてはいけないことがあります。
②手元資金がショートする前に担保できる
→消費者金融には「総量規制」というものがあり、貸金業者からは年収の3分の1までしかお金を借りることができません。なので、業績がいい時にカードを作ってしまった方がお得。
そして自営業者は業績が悪くなってしまった際には、行くところまで行ってしまう可能性があります。なので、危うくなってから消費者金融に駆け込むのでは遅いわけです。
③ ネタになる
→半分は冗談ですが、もう半分は本気です。
消費者金融でカード作って、実際にお金を借りもしながら、しかもそれを楽しそうにネタにしている税理士は、おそらく日本でも私くらいのものでしょう。
小さなことですが、差別化の一環です。きちんと考えを説明できれば、意外とみなさんネガティブな反応はしませんね。
<デメリット>
① 単純に金利が高い
→これはもう、言わずもがなですね。
② 融資枠に頼る気持ちが出てきてしまう
→一旦、融資枠を作ってしまうと、やっぱりそれを織り込んで資金繰りを考える気持ちが出てきやすくなります。
この枠で、「短期的ではない生活費」のために借りてしまうと、そこで試合は終了です。
③ 信用情報に載ってしまう
→実際にお金を借りなくても、申し込みをするだけでも(申し込みが却下されても)、信用情報会社に「消費者金融に申し込みをした」という記録が残ってしまいます。
まとめ
もちろん、金利は安いに越したことはないですよね。
でも、そんな「高い金利」も考え方次第で、すぐに返す当てがあったり、もしくは、その資金により、もっと高い利回りが見込めるなら、後は勝負するかどうかの問題となります。
…ここまで、消費者金融のメリットを中心にお伝えしてきました。
しかしながら、私がメインでやっている税理士業や不動産業というものは、比較的に収入が安定しています。なので、入出金や手元の資金計画というものも計算しやすいのですが、もし、そうでない業種の場合は、ちょっと怖い気もしますね。
たとえば、
「返済期日なのに、売掛金が予定通りに入ってこなくって、期日に返済できない可能性が高いとしたら?」
きっと、私の利用の優先順位は下がることでしょう。
しかしながら、融資枠を作っておくこと自体には損はないはずです。”記録”は残りますけれどね。とはいえ、融資は税理士の仕事の範疇なので、まずは担当税理士を最大限に使うようにしてみてください。
もっと金利の安い所から借りられるようであれば、それに越したことはありません。
消費者金融は、あくまで「保険」です。