税理士業は、資格商売です。
税理士免許を持って、なおかつ、登録もしていないと仕事ができません。さらに、資格のない人は、仮にタダだとしても、税金の相談に乗ることはできません。乗ってはいけないのです。
そんな税理士の資格は、試験でとるのが王道と言われていますが、これがまたきつい。きついというのは、圧倒的な学習量と、低い合格率を争っての競争試験であるため。なので、社会人になってから目指そうとすると、普通、平均で10年近くかかります。
私も、取得するまで9年かかりました。
税理士資格は取ってからがほんとうの勝負!
しかも、私の場合は9年といっても、試験があんまりきついので、一部の試験を回避する方法で取得しています。コツコツ型の勉強、ものすごく嫌いなのです。まぁ、資格の制度的な話はまた別の機会にすることにしましょう。
今回の本題は、「税理士資格を取ったら、どうなるんだ?」ということ。
答えは、「何も変わらない」です。
いきなり結論。
税理士になるためのコスト
税理士業は、資格を取らないと税理士の仕事はできません。
ところが、まず税理士登録するのに数万円、維持するのにも毎年十数万円の会費というものがかかります。なので、税理士事務所に所属するか独立して、仕事として税務をやらないとコスト倒れになります。
税理士資格というのは、あくまで税理士業務をやることができるスタートラインです。せっかく頑張って取得したとしても、使わなければ意味はありません。また、お客様がいない場合も、使うことができません。
一方で、どこかの会計事務所に所属し、雇われて働いていれば、お客様はこちらの都合とは関係なく”空から”降ってきます。
でも、それだとサラリーマンとあまり変わりません。考え方は人それぞれでしょうが、それなら何も10年も、さらに資格取得ための予備校で費やしたコストの何百万円もかけて税理士を目指さなくてもいいのではないかと、私は思うのです。
開業税理士は営業勝負
やはり税理士の醍醐味は、独立開業だと思います。
そして、私自身もそうでしたが、色々な税理士の独立開業ブログなどを拝見していても、独立に際しての一番のハードルは「営業」となります。
税理士業は、リピート率がほぼ100%の仕事ですから、(顧客を)取れれば楽です。でも、取るのが大変な、典型的なストック型商売です。
とりわけ営業畑から税理士を目指す人が少ないし、そういう仕事は修行中はしない、あるいはさせてもらえないから、みんな大変だというわけです。
そりゃそうですね。
税理士資格を取ってからの勝負
税理士資格を取るのが、あまりにも大変なもんだから、資格を取った後はなんか燃え尽きちゃう人の気持ち、ものすごーく分かります。
でも、最終的に独立を目指すなら、そこからがスタートです。独立するときの高揚感、不安、トラブル、縁(えん)のありがたみ…。こういうのはたとえ誰にどんな話を聞いても、独立前だと絶対に理解できません。
少なくとも、私は”本質”を理解できていませんでした。こればっかりは絶対に自分で経験しないとわかりません。
ただし、勝算もなく勢いで独立するのは、さすがに危険です。
こちらの話は長くなりそうなのでまた今度にしますが、今回私が言いたかったのは、「税理士取ったら取ったで、独立開業するならまだ気を抜いちゃだめですよ!」ってこと。
(もちろん、サラリーマンだって気を抜いちゃダメでしょうが、とりあえず突然収入がなくなることはありませんからね…。)
私だって、やっと3年。いまは食えるようになったところです。
税理士、および税理士の卵の皆さん。一緒に頑張っていきましょうね!