住宅ローンの繰り上げ返済はするな!

住宅ローン繰り上げ返済 メリット

「まとまったお金ができたので、住宅ローンの繰上返済しようかと思います。」

税理士としてのお客様との会話の中で、たまにこんな話が出てきます。やっぱり日本人はどーーーーしても借金が嫌いなんですよね。

結論から言います。「住宅ローンは繰上返済をしない方が良いです!」私はそう断言します。納得できない貴方へ、今からその理由を書きます。

(主に自営業者会社経営者様向けの内容ですが、サラリーマンの方でも役に立つ部分はあるかと思います。)

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住宅ローンを返さないほうが良い理由

事業者が「住宅ローンを返さない方が良い理由」として、5つを挙げてみました。

① 金利が安い

最近の住宅ローンは「気絶するほど」金利が安いです。

こんな安い金利を繰上返済するのなら、事業用資金を借りたつもりで(事業者なら)事業に使ってしまいましょう。うっかり、繰上返済した後で、より高い金利で借入をする必要が生じたら残念すぎます。

② 死んだら借金はチャラ

住宅ローンには、団体信用生命保険の加入が義務付けられています。

これにより、死んだら借金はチャラになるのです。繰上返済した直後に万が一のことがあったら、家族に残せたはずのお金が無くなってしまいます。これも非常に残念です。

③ 信用力に影響しにくい

一般的に、社長の事業用資金の審査の時には、個人の他の借入状況もチェックされます。

その時でも、住宅ローンという借金はマイナスの評価対象とはなりにくいのです。であれば、焦って減らす必要はありません。借りっぱなしの方が良いでしょう。

④ 住宅ローンによる税金の優遇

住宅ローンを抱える人には、税金の優遇制度が主に2つあります。

一つは「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」です。これは、住宅ローンの残高をベースに税額控除の金額が決まります。なので、繰上返済なんてもったいない。

もう一つは「自宅売却時の損失の損益通算の特例」。まだ住宅ローンの残った自宅を、住宅ローン残高以下で売却した場合には、その損失分を給与等、その他の収入と損益通算できる制度です。

「自宅売却時の損失の損益通算の特例」もローン残高が計算に影響します。状況から見て、こちらは頻繁に起こることではないことですが、うまく”はまった時”には、結構でかい金額の税金が減額されることになります。

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⑤ 自宅を守ることになり得る

住宅ローンを組むと、その家にはお金を貸している金融機関から抵当権が付きます。

完済せずにあえてその抵当権を残すことによって、事業がうまくいかなくなった時でも、抵当権がついていることを理由に、他の債権者からの差押えがかかりにくくなります。

もちろん事業が破産してしまったら効果はありませんが、考え方によってはそのような特殊な戦略もあり得ます。

まとめ

どうでしょうか?

ちょっと考えてみただけでも、こんなに「住宅ローンは繰り上げ返済しなくていい!」理由は出てきます。

もちろん、するか・しないかの選択は、最終的には個人の「好み」になりますが、事業者にとっては、繰上返済するメリットというものは、ほとんどないのです。

あえてメリットを挙げるならば、「金利分の支払総額が減る」ことくらいでしょうか。あなたが、普通のサラリーマンであれば、条件次第ではそれも良いかもしれません。

サラリーマンで、「一発破産!」クラスのでかいリスクは抱えていない人であれば、繰り上げ返済して完済してしまうことで、家を失うリスクが事実上無くなるということにもなります。

しかしながら、通常、借金を抱えて勝負をしている自営業者をイメージすると、これはメリットになりえません。

繰上返済にも大きなお金が動きます。絶対に事前に、税理士に相談してくださいね。>