「経理を誰にやらせるべきか?」
これもよくある社長の悩みです。
考えられる選択肢は、次の4つでしょう。
① 自分
② 妻(親族)
③ 社内の他人
④ 外注
どれも一長一短あるので、本当の現場では正しい答えはありませんが、そのメリット・デメリットなどの観点から、一緒に自分に合ったやり方を考えてみることにしましょう。
経理業務は誰に任せる?メリット・デメリット
① 自分でやる
自分で経理をやるのは面倒くさいですが、会計処理等に適性があるなら早いのはこれです。
パソコンの知識と最低限の几帳面さがあれば、できなくはないはず。やはりこれが一番手っ取り早いことでしょう。事業用通帳のお金の流れなどの内容も、ほとんど頭に入っていることから、
「あぁこれは、〇〇の経費支出だ。」
「これは、売上の入金ではなくって、△△からの預かり金だ。」
などと、素早く会計処理できるメリットがあります。
ただし、会社が大きくなってきた場合には、時間がかかり過ぎるのと(社長の仕事は経理ではありません!)、会計処理理が専門的になること(導入時にある程度の勉強が必要)、自分の時間の価値が上がる(社長の時給は高い)デメリットなどから、あまり採用されません。
② 妻(親族)に頼む
いがいと、諸刃の剣です。
奥様にある程度会計処理等の適性があって、社長と”ケンカがち”にならないなら、これもアリです。メリットとしては、夫婦なので利害関係は一致しているし、基本、いつでも連絡は取れるはず。
一方でデメリットの方としては、女性はまず家庭を守ることが念頭にあるためか、やはりリスクに対する反応が違います。なので、業績が良すぎても、悪すぎても社長に口を出す場合があります。
さらには、やはり社長の身内ということもあって、遠慮しないことが多いので、乱暴な指示になりがちです。
なので、ケンカになるくらいなら初めから奥様は巻き込まない方が得策です。逆に、クールにスマートに処理さえしてくれるようなら、こんなに楽なことはありません。
③ 社内の他人
最終的には、これしかありません。
ただし、経理スキルと人柄両面で適性のある任せられるいい人物がいるなら、最初から任せてしまうのも有りです。でも、経理専門の人を最初から抱える余裕のある会社は少ないです。
スキルについてはもちろん重要ですが、やはり人柄も重要です。人柄については、ダントツで信用できる口の堅さが大事になってきます。
(この辺のお話は、また別の記事で掘り下げたいと思います。)
会社の規模が大きくなってきたら、どこかで経理部を作る決断する必要はあるでしょう。その時までに、全部とは言わなくても、少しずつ経理関係の仕事は振っておかないと大変です。
④ 外注する
割り切って、税理士などに外注するのも合理的な選択です。
税理士事務所では、「記帳代行」などの会計業務はもちろんのこと、給与計算、社会保険手続きなど他の経理業務などを有料サービスで提供している所もあります。
ただし、こちらは「圧倒的に正確」である代わりに、次のようなデメリットもあります。
- コストがかかる(通常は別料金)
- 時間がかかる(書類の往復など)
- 手間がかかる(郵送のためにわざわざ書類をコピーするなど)
- 経理が育ちにくい(新しく経理を雇おうというモチベーションが出にくい)
これはねー、本当に選べないんですよ。
自分だけで決められることではないので。
まとめ
個人的な意見としては、
最初は『短期間でも自分でやるのが良い』と思いますね。
やっぱりどんなことでも、すべて任せっきりにするのではなく、せめて一回くらいは自分で経理業務も経験しておいた方が良いです。
せっかく社長やるなら、何事も経験ですよ。
出来上がった数字がどんなに”読めた”としても、その数字が合っているかどうかが、ぼんやりとでもイメージできないといけません。そのためには、どのようなプロセスでこの数字が作られるのかを、ある程度「実地で」経験しておいた方がよいと思うからです。
(その結果、「毎日の数字を追うのも、結構大変だなぁ」という風に理解してもらえたら、きっと税理士業の大変さも多少なりとも分かってもらえることでしょう!)