絶対押さえておきたい節税⑤貸倒引当金

税金のアドバイスとお金
今回はまた節税の話です。

珍しく”後出し”できるパターンの節税で、実際の支出を伴わないものなので、会計年度が終了してしまった後でも経費計上することができます。それが、貸倒引当金

ただし、効果があるケースはかなり限定的です。手軽な方は正直効果が大きくはないです。一応、こういう節税方法があるということは、知っておいて損はないかとはと思います。

(本来、担当税理士が提案してくれるとは思いますが。)

スポンサーリンク

貸倒引当金とは?

貸倒引当金。「かしだおれひきあてきん」と読みます。

通常、会計では既に”発生したもの”しか経費にできません。しかし、貸倒引当金の場合は、

「このくらい売掛金があったら、2%ぐらいは回収できないかもしれない。」

とか、

「あの会社倒産しそうだから、貸したお金が戻ってこない確率があるな!」

という何とも不確実な”不安”みたいなものをその期間の経費として認めてくれる数少ない例外なのです。理論的には正直疑問に思われる方も多いかもしれません。

貸倒引当金を計上して節税する方法

貸倒引当金には、問題のない債権に対するものと、問題のある債権に対するものがあります。

また、法人と個人で内容が違いますので、それぞれ会計上の計上の仕方が異なり、もちろん経費として計上できる金額も変わってくることになります。

以下ではこの2点の違いを中心にみていきましょう。

①問題の有無による違い

まず、『債権(売掛金や貸付金など)がどういう状況か』によって処理が異なります。

ここで言う「問題がある」時とは、その債券が法的に整理されて回収できないことが確定した時や、こちらで回収を諦めて書面で「もういりません」と通知したときなど、そのような場合には、回収不能額として確定した金額を経費にすることができます。

また例外的に、得意先と全く取引しなくなって1年経過したときも貸倒処理が認められています。ただし、要件を満たした会計期間のうちに処理をしないと、その後は貸倒処理が認められなくなるなど、細かい要件があります。

(もちろん、担当税理士がきちんと注意して処理してくれると思いますが)

一方で、「問題がない」場合と言うのは、問題があるもの以外の全てです。主に、普通に回収できそうな売掛金や貸付金などの債権がこれにあたります。

②法人と個人での計上の違い

さらに、「問題がない」債権の取り扱いについては、法人と個人で取り扱いが異なります。

法人の場合は、業種によって計上してよい金額(繰入限度額)が、債券の何%というように決められています。例えば小売業なら10/1000(=1%)です。

【業種別の繰入限度額】

  • 卸売業・小売業(飲食店業及び料理店業を含む):1%
  • 製造業:0.8%
  • 金融業・保険業:0.3%
  • 割賦販売小売業・包括信用購入あっせん業・個別信用購入あっせん業:1.3%
  • その他:0.6%

なので、小売業を行っている会社の売掛金が期末に1,000万円分あっても、経費になるのはやっと10万円となります。

正直、”しょぼい”ですよね…。

一方で個人事業の場合は、一律債権の5.5%です。

なぜか法人より率が大きいでが、個人事業の場合は儲かってきたら法人成りすることが普通なので、そもそも大きな債権を持っているのはレアケースです。

なので、結局こっちも大した節税効果にはなりません。またこれは、『青色申告』をしていないと使えないことは注意してください。

(まぁ、これも担当税理士の方がきちんと仕事をしていれば提案してくれるとは思いますが…)

『貸倒引当金』が役に立つときはどんな時?

毎年決算で得意先の経営状況・債権の状況は、きちんと”おさらい”するクセをつけましょう。

万一問題のある得意先があるようであれば、その債権の全額ないし50%ほどが、貸倒引当金として、予期せぬまとまった経費が計上できる可能性があります。

とはいえ、”とりっぱぐれて”経費になるより、本来はお金で回収できた方がうれしいですよね。なので、貸倒引当金の計上は、回収できなかったダメージを多少やわらげる節税効果があるもの程度に考えておく方が健全でしょう。

また、債券の状況を社長がきちんと把握しておけば、決算の精度も上がります。その期に貸倒引当金にできる債権を忘れていて、期末に経費として計上してみたら、黒字のつもりが赤字になってしまったとか、笑えないですよね。

「黒字が多くなりそうだというから、税金対策のために無理して〇〇買って経費を増やしたのに、買わなくてよかったじゃないか!」とかなります。

(もちろん、適正な決算作成は税理士の仕事ですが。)

また、「問題の無い債権」については、特に法人では金額が小さいため、ほとんど節税としてはアテにできません。

個人事業の方では、例えば『子ども手当』や『児童扶養手当(母子手当)』、『高額療養費の判定』など、所得を基準にして受給の可否を判定する際に、制度が利用できるギリギリの数字を狙っていくための、最終調整に使えることもあるかな、といった程度です。

————–

ここまで、貸倒引当金による節税を一生懸命お伝えしてきたつもりですが、事後でもやれることなんて、ぶっちゃけこんなもんなんです。やはり小さい小さい。

でも、一応は頭に入れておいてくださいね。なので取引先がピンチだとかは、税理士にもきちんと報告しとかないとだめですよ!

関連  絶対押さえておきたい節税④経営セーフティー共済

スポンサーリンク
おすすめ記事と広告

おすすめ記事と広告

シェアする

フォローする