絶対に押さえておきたい節税⑥青色申告(個人)

個人の確定申告のメリット

『絶対に押さえておきたい節税⑥青色申告(個人)』

今回は認知度の高いイロハのイ、青色申告についてのお話です。

「これから起業するぞ!」という方でも、『青色申告』という言葉ぐらいは聞いたことがあるとは思います。でも正確にどういう制度なのかご存知でしょうか?

「理解しているつもり」レベルの社長さんへの”おさらい”から、事業・副業に興味のあるサラリーマンの方まで、確実に覚えておきたい青色申告。一応、「個人(事業)」と「法人」では少し内容が違うので、今日は個人の方の話にしたいと思います。

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青色申告を絶対にやるべき理由とは?

青色申告を一言にするなら、

「私はまじめに経理をやって正しい申告に努めますから、税金安くしてね!」

という制度です。

個人事業者の場合、事前に「青色申告」することを税務署に届け出れば、資料をきちんと保存したり、帳簿をつけたりすることで、個人事業として実際には支出していない”追加の経費のボーナス”を認めてくれる制度です。

そしてそのボーナスには、事業主側の手間というか”難易度”によって10万円65万円があります。簡単な表にまとめるくらいだと10万円、普通の会社のようにきちんと簿記を使って帳簿を作る方なら、65万円分を必要経費として認めてもらえます。

これらはそれぞれ、青色申告の”10万円控除”、”65万円控除”と呼ばれますが、その分売り上げに対する(※)経費が増えるため、税金が安くなることになるのです。

これからきちんと商売していくなら、そもそも結局帳簿をつけないと儲かったか儲かってないか分からないわけですから、「青色申告」もやって経費を追加してしまいましょう。

だって、”タダ“で税金が安くなるわけですから。

※決算が赤字の場合は、上記控除額は使われないため、赤字が増えることにはなりません。

青色申告の4つの注意点

青色申告をする際の注意点は次の4つです。

  1. 開業から2か月以内に届け出が必要
    (又は適用を開始したい年の3月15日かどちらか遅い方まで)
  2. 不動産賃貸業の場合、「一定規模」にならないと65万控除は選択不可
  3. 期限後申告の場合には、65万控除は使えない
  4. 2年連続での期限後申告等、一定の条件を満たすと取り消し

特に、「期限後申告では使えない」点などは、覚えておいてください!

遅れちゃダメ、なのです。

青色申告のメリットあれこれ

青色申告をやると、経費のボーナス(10万又は65万控除)以外にもメリットがあります。

メリットはこんな感じ。どれもこれも小粒ながら意外と使い勝手が良いのです。やった方が得です。

①経費のボーナス

青色申告のメリットとして、初めにお伝えしたことの繰り返しになりますが、支出無しで所得を下げられるため、文句なしに有利です。

たとえば、売り上げと必要経費を差し引いたら黒字になる個人事業の方の場合、65万円控除の方を使うと…

65万円×25%(所得税の最低税率5%+住民税の税率10%+国保の所得割約10%)=16.25万円(!)も税金が安くなることになります。

コレって、結構大きい額ですよね!

②赤字の場合の繰り越し

青色申告であれば、赤字だった場合にその赤字額を3年間繰りことが可能で、将来の黒字と相殺することができます。

なので、初期投資がかさむ仕事の場合には必須です。「初年度の大赤字」を、次の年以降の黒字とぶつけることが認められるので、その時の税金が安くなります。

③貸倒引当金

青色申告では、売掛金(請求したけど未回収」金額の5.5%を、貸倒引当金への”繰り入れ”として、経費にできる制度です。(実際に支出が伴う経費ではありません。)

この引当金の額は、毎年末の売掛金等の残高によって入れ替わります。

なので、初年度は全額が必要経費となりますが、次年度以降は前年に計上した金額をベースとした増減程度しか”繰り入れ”が認められないため、ある程度効果があるのは初年度だけとも言えます。

それでも、支出を伴わないのでデメリットはほぼありません。

④青色専従者給与

個人事業において、「同居している親族に対して給与を出す」場合。

きちんと支払った給与全額を経費にするためには、「青色申告」の上、「青色専従者給与(※)の届出」もしておく必要があります。

なぜなら、そうしないと経費にできる上限が決まってしまうからです。

「青色申告」と「青色専従者給与の届出」をきちんと出しておけば、”いざ”となれば金額を大きく増やすことができるため、これはかなり頼りになる節税方法です。

ちなみに、専従者給与を出す親族を年収103万円以内に抑えても、サラリーマンである旦那さんやお父さんがよく年末調整などで使う、「配偶者控除」や「扶養控除」でダブル節税することはできません。

その結果、旦那さんやお父さんの税金が高くなってしまう可能性があるので、事前によく確認しておく必要があります。

青色申告の専従者給与…奥さんや子供に事業の一部を手伝ってもらい、その報酬として支払う給与を経費として認めてもらえる制度

青色申告のまとめ

「青色申告」は、知名度はあるものの、具体的に何がどうなっているのかを正確に理解している人というのは、意外なほど少ないというのが税理士である私の実感です。

“10万円控除”の方は大して難しくないので、”家計簿”が理解できるくらいであれば誰でもできます。でも、”65万円”の方は、簿記の知識が多少なりともないと、難しく感じることでしょう。

これから事業がもっと儲かる予定で、(あるいはすでに儲けていて)税金を心配するような場合には、税理士から見積もりを取って、節税効果と税理士費用を比較してみてください。