「不動産投資に必要な3つの材料④(カネ)」
今回は最後に不動産投資に一番必要なお金の話について書きます。
このタイトルの最初の記事で書いた通り、お金がないとそもそも参加できません。そこがハードルになっているからこそ、不動産投資は普通より儲かるのです。
どんな世界でも「カネ」の無い奴は「カモ」
税理士として世の中を見ていると、ギャンブルでも投資でも「事業」でもなんでも同じですが、体力(資金)の無い人は非常に不利です。
有名なルーレットの必勝法として「マーチンゲール法」というものがあります。
これは、赤か黒かの1/2に賭けて、当たったらそれでOK。もし外れても、賭け金を倍にして当たるまでやり続ければ、いつか当たるのでずっと儲けることができるはずというもの。
つまり、
- 掛け金100円→アタリなら100円の儲け
(アタリ200円-投資100円=100円) - 1回目ハズレ・2回目は掛け金を200円にUP→アタリなら100円儲け
(アタリ400円-100円-200円=100円) - 1・2回目ハズレ・3回目掛け金400円→アタリなら100円儲け
(アタリ800円-100円-200円-400円=100円) - ・・・
- ・・【当たるまで投資額は倍々で賭け続ける】
必勝法という理屈としては筋が通っていますが、実際にはこううまくはいきません。
理由は以下の二つです。
- 通常の場合、レートには上限がある
- 外し続けたら、いつかは資金が尽きる
投資や事業の世界でも全く同じことが言えます。
たとえ失敗しても、より大きな金額で再度チャレンジを続けられるのであれば、いつかは大当たりして今までの損をも取り返して、全部回収できる可能性はあります。
しかしながら、高額物件ほど数は少ないし、そもそも資金には限界があります。
それでも、チャレンジできる回数が増えるお金はあるに越したことはありません。なので不動産投資というものは、なけなしのお金でやってはいけません。
ある程度の失敗を織り込まない一発勝負では、高確率で失敗することになるでしょう。
不動産投資をするなら融資は絶対条件
そこで活用したいのが、「融資」となります。
私のように資産家の家に生まれ育ったわけではない人は、現時点でお金はないけど、将来お金持ちになりたいから投資を行っています。
自分が「いける!」と思える事業に対し、お金が借りて勝負できるならこんなにいいことはありません。仮に失敗しても、最悪自分の手元に多少の貯金が残っていれば、まだ善後策を講じることができます。
それから、規模(レバレッジ)という面でも、融資ができる不動産投資は有利です。
以前に商売の原理の記事で書いたように、利回りが良くても、規模(量)が足りなければ儲けとしては物足りないことがあると思います。
不動産と株式やFXと不動産投資の違いは「融資」が受けられる点です。株式投資やFXに使うと言ったら、まず融資は受けられません。(信用取引の話はひとまず置いておきます)
銀行の評価上、株式投資は事業ではなく投機的(ギャンブル的)にみられています。一方、不動産投資は、「不動産賃貸業」という商売とみなされ、不動産を担保にとれる条件さえ整えば、銀行は融資を出してくれます。
FXはレバレッジをかけることにより、ハイリスク・ハイリターンを狙っていくことはできますが、ベースが自己資金なので、何かと不幸な事件も起こりうるのです。
事業というものは、多少の余裕を持って行わないと、一度の失敗が致命傷になってしまいます。
なので、『他人のカネで目いっぱい勝負する』
「目いっぱい勝負」の中には、ある程度の失敗というリスクも含んでの意味になりますが、私は事業を拡大するためには、これが一番大事なことだと思っています。
まとめ
不動産投資も、ごく普通の商売と変わりません。
なので、必要な条件はどこまで行ってもヒト・モノ・カネの3つ。
そしてその3つを重要な順に並べるなら、①カネ②モノ③カネの順番です。
- ①カネ 融資をどのように引っ張るか工夫する
- ②モノ どのように普通より儲かる物件に仕上げるか考える
- ③ヒト アイデアを実現するために必要な仲間を集める
不動産投資は、最初の数件をうまく乗り切って借入額が膨らんで来たら、さらに少しずつできることが増えていきます。
私もこれから、”そこ”を見に行きたいと、楽しみに考えています。
もちろん、カネを借りるところは税理士の専門でもあるはずですから、税理士は使い倒してくださいね。