『上司や経営者がスーパーマンに見えるのは半分幻想』
私が会計事務所でサラリーマンとして修業中だった時代、それはそれは沢山の失敗をしました。
現在は独立し、事務所を構えるまでになった『税務』でも当時は失敗しましたが、たんに『社会人』としても失敗の山をこさえてきました。
その都度、先輩や上司、または事務所の”ボス“が尻拭いをしてくれるわけですが、自分ではどうしたって解決不能ではないかと思われたトラブルを、「あっさり」と解決されてしまうと、自分の力の無さにうなだれたものです。
「上司の方が能力が高い?」あなたと上司の勘違い
「こんなの簡単ですよ。私が行ったら、一発解決ですよ。君はまだまだだねぇ」
社会人の方であれば、あなたも上司にこんな風に言われ悔しい思いをした経験は、一度や二度あるのではないでしょうか。
そもそも未経験の分野であれば、分からないことだらけだし、まだ新人の頃は社会人の基準で求められるものと学生時代との感覚の差が甘かったりなどもするため、まったく怒られることなく、成長する人などほとんどいないのではないでしょうか。
なので、当時の自分が色々と実力不足であったことは紛れもない事実です。
しかしながら、独立してお客様と直接、”切った貼った”の勝負を繰り返している今、冷静に考えてみると、先輩や上司、ボスらは決して『彼らの能力だけで問題を解決』してしたわけではなかったことに気がつきます。
なので、あなたが当時の私のように、失敗して上司からこっぴどく怒られたあまりに、
「サラリーマンとしてやっていけるか自信がなくなった…」
「上司と比較して、なんて自分が能力が低いんだろう…」
なんて落ち込んでしまうような場面でも、じつはそんなに気にする必要はないかもしれません。
もちろん、そういった内省的な態度は今後の自分の成長の為にも重要です。でもそれが「単純な能力不足」だけではない可能性については、少し考えてみることができます。
上司や”ボス”は、問題の解決のために、『能力以外の力』にも助けられている場合があるからです。
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あなたに『権限』があれば、交渉ははかどる
それでは先輩や上司、または”ボス”は能力の他に、何によって問題を解決しているというのでしょうか?
ズバリ、それは「権限」です。
権限、けんげん。
『権限の有無』というものは、消費者・お客様である相手にとっては、ダイレクトに「時間に直結」します。
そしてご存知のように人生における時間というものは、最も価値の高い資源です。相手が企業の社長や自営業者であった場合には、彼らの頭の中は、価格交渉から業者選定、タイムスケジュールなど、事業は判断の連続です。
そのため、あなたがその判断をする権限を持っている場合には、相手は「決裁を仰ぐ」というひと手間を省くことができるのです。
一方、相手が事業者ではなく、忙しいビジネスマンの場合でも、あなたに権限があれば、その分より多くの仕事をこなせる時間が確保できると考えることになります。
トラブルを解決する際には、『どこまでこちらの責任を認めべきか』、『どこまでお客様の要求を呑むべきか』など、こちらも判断の連続です。
チマチマと権限の無い所での、意味のない交渉は避けたいはずです。
不足しているのは「能力」or「権限」?
あなたに権限がなければ、そのトラブルのお話は、いったん会社に持ち帰るしかありません。さらにその日が金曜日で、休日である土日を挟んだりした場合には、もっと時間がかかってしまうことでしょう。
そんな権限の無いあなただからこそ、相手もイライラしている場合もありそうです。
また権限の有無は、自分にとっても仕事の容量や処理速度はもちろん、トラブルの許容度も変わってくることになります。
いまのわたしのように、『自営業』でやっていく場合には、その権限を全て自分が握るということになります。責任は重くなりますが、一旦この状態に慣れてしまうと、権限の無い状態には戻れそうにありません。
このスピード感に慣れてしまうと、面倒な社内の手続きなんてとてもやってられないからです。
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まとめ。
自分の成長のためにも、冷静に自分の能力や状況を理解することは重要です。
でも、あなたの能力的には足りているのに、権限がないことにより自信が持てず、上司に対してコンプレックスを持っていたり、はたまた、何かやりたいことがあるのに、「独立に踏み切れない」なんて勘違いがあるようならば、これは大変な損失です。
もったいない。
もっと、自信をもっていいんですよ。
独立して権限を持っても、それをどう扱うかという点については、また別のスキルが必要になりますが、こちらはまた後日お話したいと思います。