『資金繰りでやらかした話②』
前回の書いた通り、
3月に1,000万円、4月に2,000万円の工面をしなくてはいけない、”カツカツ税理士“がここに誕生しました。
しかも、確定申告の真っ最中に。我ながら、バカです。
結果的には工面できたと書いたので、「なんだ、実は金持ちなんじゃないか」と思われたかもしれません。でもそんなことはありません。
その理由は、私が行った資金の調達方法を見ればお分かりいただけると思います。
最初の段階で私がすぐに行ったこと
①自分の財産の整理
とりあえず、手元資金で500万円は都合できることが分かりました。
それに一番金利の安いカードローン(限度額500万円・年4%)を加えて1,000万円。これでひとまずは3月をクリアできることは確定しました。
私の事務所では、年払いのお客様には5%割引を実施しているので、年始だけで月500万円くらいの収入があります。それが効きました。
この一番安いカードローンは、銀行系のプレミアムカードローンで本来はサラリーマン向けのものです。
ところが「士業と医者の自営業者は例外的に入れる」ものであったため、作成要件の『独立後3年』を経過する半年前に銀行の紹介状を付けてもらい、さっさと限度額いっぱいで作っておいたものです。
こういう時、士業は強いですね。
②支払先に期限延長の交渉
目先の資金繰りを確保するため、仲の良い支払先に今回の事業内容を正直に伝え、支払いを少し先伸ばしにしてくれるようお願いしました。
また父親から借りているお金の返済も、4月期限だったものを年内いっぱいにまで延長してもらいました。こういう状況では、身内は助かります。
破綻すると最悪ですが・・・。
③銀行に融資の申し込み
「名目は何でもいい」「いくらでもいいから貸してくれ」
とメインバンクと公庫にグリグリ押し込みました。
ところが、新築アパートが建ったばかりで、家賃の入金実績がないこと、税理士業は設備投資がほとんどかからないこと、などから名目も作りにくいと断られました。
あるお客様から、融資を断られたときに銀行員を怒鳴りつけてしまったなんてことを聞いたことがありましたが、少しその気持ちが分かりました。
人は切羽詰ると理性的でなくなってしまうんでしょうね。
④カードローンの枠の確保
時間をかければどこかから資金を調達する自信はあったので、とりあえず現状をしのぐためにカードローン枠の増額と新規申込を繰り返しました。
結果、ローン枠は6社で1,950万円にまで増えました。一番安いカードローンは3月でもう満額使っているため、追加で約1,500万円です。
ここまでで約3000万円の内、とりあえずあと500万円作れば何とか乗り切れるところまできました。
それでも、カードローンは全部合わせて加重平均金利が10%という恐るべき数字なので、より良い金利条件を探して、どんどん入れ替えていかなくてはいけません。
お金に困ると夜も眠れない、
起きている時間はずっとお金のことがグルグルと頭の中を回っている。
そんな状況をリアルに体験しました。
これは決して大げさではありません。本当にそうなりました。
とはいえ、そんな状況でも確定申告は何とかなりました。とりあえず、優秀な事務員さんには感謝です。次回は、その次の段取りで私が行ったことをお伝えしていきます。
【続く】