『あなたの給料は上がる?①』
今回の記事はサラリーマンの方向けです。
私は仕事というものは、「お金のためにするものだ」と割り切って働いています。やりがい、経験、ステップアップ…
「人はなぜ働くのか?」
この問いに対する答えとして、いろいろな理由が世の中にはあふれていますが、結局はお金でしょう。
もちろん、一定以上の収入・資産を得てからであれば、やりがいや自己実現など、本当にそういうものが働く理由になることもあるとは思います。
私だって、そうなりたいです。
でも、そこまで到達していない場合、どう考えても目的はお金です。だって、お金が無ければ生きていけないわけですから。
サラリーマンが最低限理解しておくべき給料の仕組み
したがって普通、給料は多ければ多いほどよいに決まってます。
サラリーマンの方にとっては、給料の大小が就職や転職、日々の不満の理由になりますよね。さらには、昇給したり、同僚や友人との比較でもその不満は日々刺激されています。
そこで今回は税理士の視点から、給与のメカニズムについて少し掘り下げてみることにしましょう。
給料は事業の利益あってこそ
まず、
「給料は利益から出る」
当たり前の話ですが、従業員の給料は、その事業の利益から支払われます。
なので儲かっていない事業であれば、一時は過去の利益を原資として給与を支払い続けることができても、いつかどこかで破綻し給料は出なくなります。
逆に、事業がたくさん儲かっていれば、賞与が出たり給料アップもあります。営業職の方であれば、自分の成績と給料が連動していることをイメージすればわかりやすいでしょう。
しかし、経理のような事務職でも、時給計算のアルバイトでも、あなたが自分の給料をあげたいと思うのであれば、本質は同じです。
それは、
『あなたが、会社の利益に貢献しているかどうか』
どこまでいっても、まずここが最重要になります。
経営者も、従業員の給料を上げたい
基本的に従業員と経営者は、給料の点においては利害が一致しません。
なぜなら普通
従業員は、
給料(収入)がもっと欲しい。
と考え、
経営者は、
給料(コスト)をもっと減らしたい。
と考えるからです。
従業員にとっての収入は、経営者側から見ればコストであり、けっきょく事業の売上をお互いに取り合うことになるので、本質的にこの構図は変わらないことでしょう。
しかし、よほど欲張りな経営者でない限り、できれば従業員の給料を上げてあげたいとも考えているはずです。だから、そのために利益をもっと上げたいとも。
たとえば中小企業の場合、従業員と経営者の距離が近いため、とくに長年勤めている従業員は、経営者としての思い入れも手伝い、心情的には家族のような関係に近くなってきます。
その結果、従業員の結婚や出産、自宅購入等、人生のあらゆる場面を共有するような感覚にもなります。もし家族は言い過ぎだとしても、やはりまったくの他人とは言えないわけです。
なので、そんな従業員をお金に困らせてしまうことに対し、自分自身も心苦しく思うようです。それに、その会社の功労者が経済的に苦しんでいるところを他の従業員に見せたくないというような気持ちもあります。
自他ともに頑張って実績も出しているような同僚や上司が、いつもお金に苦しんでいるような姿であれば、その会社における自分の将来像をも描きにくなってしまいますよね。
なので、経営者としても、従業員のモチベーションを下げるようなことは避けたい。むしろ、できるならば給料はたくさんあげたい。
それでは、どうやったら給料が上がる(→利益が上がる)のでしょうか。
【次回に続きます。】