『あなたの給料は上がる?②』
前回の記事からの続きです。
どうやったら(あなたの)給料が上がる(会社の利益があがる)のか。
まず、「年功序列を期待するのはナンセンス」ですよね。
たとえば「終身雇用」と「年功序列」。日本の高度成長期を支えた(とされる)概念ですが、いまさらアテにできないことは周知の通りです。
いまや、大きな会社でも平気でつぶれる。リストラもある。
従業員が直面しているのは、成果給の導入に、縮小した場合のポスト不足、外国人労働者の流入などなど。
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雇用の安定はもはや幻想
とにかく、『大企業に入ったら将来は安泰!』みたいなことはまったく無くなってしまいました。(私は安泰が良いことだとは思っていませんが。)
そもそも終身雇用・年功序列にも当然からくりがあります。
終身雇用を前提とすることで、必要な労働力を入社当初に相場より安く買い集め(日本の初任給はたとえ高学歴であっても安いです)、残った功労者に相場より高く支払うというモデルでありました。
企業にとって入ったばかりの新人は、育成期間としての投資期間という側面はあるものの、基本的には若手が損をして、中年くらいでやっと能力に見合った給料になり、そして退職前にはピークを迎える。
それなのに給料の将来の伸びは期待できなくなった結果、今時の若手は、目先の収入をより重視するようになったわけです。
少子高齢化で、年金や国家財政の破綻を示唆するようなニュースがトピックになっているわけですから、当たり前の反応ですよね。
就業サバイバル時代を渡り歩くための情報(中小企業編)
それでは、中小企業の社長はどのように考えているのでしょうか。
大企業に勤めている方なら賃金規定がきちんと決まっているでしょうから、従業員側よりアピールできることはそんなに多くないことでしょう。
(私自身は大企業に勤めたことがないので、実感としての実態はよく分かりませんけれど。)
中小企業の場合でも、ある程度の規模になれば就業規則や賃金規定が整えられます。そうなれと、基本的には大企業と同じです。
ところが就業規則や賃金規定がない企業もたくさんあります。
そのような中小企業においての従業員の給料は、経営者がOKを出せば直ちに上がることになるため、経営者の心理を読み解くことがとても有意義となります。
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押さえておくべき経営者の心理
彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず
という孫子の兵法もありますよね。
まず、経営者の心理を理解しておきましょう。
① 経営者自身が経済的に満たされているのか
→経営者自身もお金に困っていると、とうぜん何事にもケチになることでしょう。
もちろん経営者の性格にもよりますが、いざとなったら私財を全部突っ込む覚悟の経営者が、ある程度の「安心」を感じられる状況になるまでは、還元に意識が向くことは少ないでしょう。
ということはそもそも、事業の業績が悪ければ、あなたの給料は上がりにくいですよね。
② お店や会社全体で目に見える業績アップをしているか
→【利益が給料の原資】であることは、前回のお話の中でお伝えした通りです。
所属する単位や会社全体でも、売上が上昇しているのか、または、効率が上がって同じ売上を少ない経費で生み出せているのかなどは、昇給にはプラス材料です。
つまり、あなたの給料が上がるためには、あなた自身の成績の他に、店舗や会社全体を通して、より多くの利益が発生している必要があります。
なので、
「俺は成績を出しているのに、なんで給料が上がらないんだ!」
なんてことも、残念ながら発生します。
③ 今後数年間、会社にとって明るい展望が見えているか
→今が良いからといって、安心できないのが経営者です。
それに一度上げた給料は、心情的にも法律的にも下げにくいもの。
なので目先の業績が良くても、長期的な会社の成長に自信が持てていない場合には、簡単に給料を上げようとはしないことでしょう。
④ (あなたが)辞められたら困る人材であるか
→基本的に、中小企業は常に人材不足です。
自分の能力と成績に自信があるなら、『退職』を交渉カードにして瀬戸際外交をしてみることも、場合によってはかなり有効となります。
万が一、残念ながらまったく引き留められないような場合は、給料アップを期待するよりも、あなた自身にもっと頑張らなければならない要素があるのかもしれません。
⑤ 給料を下げるオプションが確保されていること
→経営者は、将来業績が下がってしまった場合には、理由をつけて給料を下げられるオプションを求めています。
その結果、賞与や手当など複雑化した給料の仕組みになっていることが多いようです。
(たとえば「基本給」ではなく、「手当」を使った昇給であれば、翌月より簡単に「手当」を消滅させ、実質的に給与を減額することも容易くなります。)
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以上、経営者・社長はこんなことを考えながら給料を決めているのですが、それとは別に、もっと本質的な切り口で考えてみる必要があります。
【さらに続く】