「お客様は奥様から落とせ」
今回は私の営業スタイルの話を。基本的に私は”おしゃべり“が大好きです。
(勉強や事務作業の方は、嫌いですが。)
話好きなのはプライベートでもあまり変わらないと思いますが、税理士としての仕事中は特にスイッチが入り、より意識的におしゃべりをしています。
今回の内容は、私のような開業税理士の方のみならず、営業経験(個人向け)のある方なら、「あるある」話として理解いただけるのではないでしょうか。
セッティングの前にまず正確な情報
税理士としては、税務の知識は最低限のスキルですが、お客様とのコミュニケーションの方は、何より大事だと考えています。
というのも、税務を行うに当たり、各種情報の収集は一番重要なのです。何たって「節税はセッティングが8割!」ですからね。
関連 節税はセッティングが8割
そして、あくまでもこれは”傾向“の話になりますが、仕事の具体的な内容はともかく、細かい周辺の情報は、男性よりも女性の方がよく覚えているようです。
男性の場合は、
「これは仕事に関係ないだろう」
とご自分で判断し、こちらが聞きたい話を、勝手に端折られてしまうことが良くあります。
他にも、
「必要なら、そちらから聞くのが筋だろう(自発的には話しません!)」
とか、
「プライベートのことは、必要以上に話したくない」
と考えている男性が多いのが私の実感です。
でも、勝手に半紙を端折られた内容の中に、
「えー!?なんで早く言っていただけなかったんでしょうか…」
と後程、こちらがうなってしまうような重要な情報が隠れていることも多く、『何が必要か』という素人判断は、非常に危険なのです。
(結果的に、事前の段取り/セッティング等の対応が遅れ、お客様自身が損をすることになります)
「奥様」を落とせば情報がより正確に
その点女性は、男性とは異なります。
私のお客様の多くは、ご結婚されている方ばかりです。そして、会計・事務関係などについては、その奥様が窓口となっていることが多く、通常の会計や資料のやり取りレベルでは、奥様経由になることがほとんどです。
なので、お客様訪問時には社長は本業のために外出しているため、奥様経由での意思疎通となったりもします。
そして奥様方は、いったん信頼関係さえ築けてしまえば、必要な話を端折るどころか、その周辺情報まで細かくお話ししていただけます。
とくに男性との大きな違いは、
『プライベートのことでもそれなりに話してくれる』こと。
もちろん、その際はコミュニケーションの常で、私のプライベートもどんどん明かすことになりますが、幸い私はその辺があまり気にならない性分なため、話が非常に盛り上がります。
よくも悪くも、「あけすけ」であるのは、どうやら私の強みのようです。
社長と奥様の馴れ初め、個人資産の概要、家族や親族の健康状態。そして、お子さんの進学状況から、社長の食べ物の好み、DVや離婚の危機などなど。
どんな小さな情報でも、税理士としては無いよりあった方が有利です。将来の予測できる”危機”に向けて、事前に手を打ったアドバイスに繋げることができます。
なので税理士としての守秘義務は当然に守るとして、お客様に安心して気持ちよく情報を出してもらうことは、非常に重要なことなのです。
営業マンは奥様を重視すべき
節税のための重要な情報を集める。
その点では、”奥様を先に落とした方が話が早い”でしょう。また副次的な効果として、奥様と仲良くしておくとこんなことも期待できます。
① バレンタインデーにチョコをもらえる
→お返しは結構大変。むしろ赤字ではありますけれど。
② 訪問した時のお茶菓子が豪華になる
→毎回だとちょっと恐縮。
③ アポイントなどで融通が利くようになる。
→社長が忙しい方の場合、奥様のルート以外ではアポが取れないこともあります。
④ ミスをして社長に謝罪をする時に、奥様からフォローを入れてもらえる
→これはものすごくありがたいです。
先に奥様に話しておくなど、ある意味”事前工作”ですね。
このように営業マンの方なら、奥様と仲良くなっておくことは非常に重要なことが分かっていただけると思います。
とはいえ、女性の直観は鋭いようですから、打算で仲良くなろうとすると、見透かされてしまうと思われます。そこはご注意ください。