「ニーズとウォンツの話」
突然ですが、
ニーズとウォンツの違いってご存知でしょうか?
「needs(ニーズ)」…どうしても必要なもの
「wants(ウォンツ)」…あれば欲しいもの
たとえば、零細・中小会社の社長が自社の商材の需要を探りマーケティングを行う場合には、その商材がニーズとウォンツのどちらに該当するものかを、よく検討する必要があります。
そうでないと、じつは潜在的な需要・商品力があったものなのに、『100人に聞いて需要がなさそうだったから、ボツにしよう』なんて機会喪失となることも起こりうるからです。
Contents
成功する中小企業は大手とは違う土俵で勝負
ニーズはそもそも「必要なもの」なので、よく売れる一方、競合が多く、価格も相場によって形成されています。その結果、付加価値を作ることは非常に難しくなっています。
一方のウォンツは、「売っているのであれば誰かが欲しいもの」なので、数を売ることは難しい反面、欲しい人は少々高くても買ってくれます。
中小企業はウォンツ勝負!
ニーズに分類されるメジャー商材(商品およびサービスなど)は、ほとんど大手がすでに手を付けています。しかも大手は、大量仕入と大量生産によるコスト削減を徹底的にやってきます。
そのため、中小企業が同じクオリティの商品で勝負しても、価格競争に負けて残念ながら勝ち目はありません。
そのため必然的に中小企業にとっての主戦場は、ニーズの中でもウォンツ寄りに分類される商材となります。
ウォンツ商材の特徴
ウォンツ商材は「あれば欲しいもの」ですから、要するに”尖った商材”です。
商品の魅力としてエッジがあり、
刺さる人には刺さる商品(刺さらない人にはまったく刺さらなくてもOK)です。
靴のサイズなら、30cm以上の足の大きい人専用とか、
シャツなら金ぴかのカラーバリエーションなど。
「いったい、だれが買っているんだろう?」
「商売として成立しているのかな?」
と疑問を持つようなものも数多くあります。
つまりは、万人が必要とはしないけれども、ターゲットにピタッと合う、欲しい人が見たら少々高くても買いたいと思うものがウォンツ商材の特徴です。
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ウォンツ商材はインターネットと相性抜群
ウォンツはその性質上、あまり販売数が大きく出ません。
そのため、大量仕入・大量生産という大手の強みが生かされないため、大手はなかなか手を出しにくいのです。
その点、中小企業ならそういった小回りが利きます。
インターネットがまだ無かった時代は、そういう”ウォンツ”を発掘すること自体が非常に困難であったため、”尖り方”も緩めにならざるを得ませんでした。
商品は、存在していることを知られない限り、当然売れません。
存在を認識されるためにはどうする?
どの媒体を使えば、店舗以外での実需を取り込めるのか?
そもそも買いたい人は存在するのか…
全国より特定のターゲットのみに刺さる商品を開発し、利益化まで持っていくためには、当時ではあまりにも非効率だったわけです。
その点、インターネットの普及によって、一つの媒体・変わらないコストで、英語という可能性まで考えれば、世界の隅々まで商品の存在を認識させることができるようになりました。
中小企業が勝つためには、極端でもよい
ウォンツの発掘はインターネットの発達でコストが劇的に削減されることになりました。しかも、大手は手を出しにくく、付加価値をつけて売りやすい。
これは明らかに中小企業向けと言えるのではないでしょうか。
ただし、ウォンツに特化するのが必ずしも成功に結び付くかどうかは分かりません。これはこれでやはり”バクチ”だからです。
それでも、自分の商材がニーズに該当するのか、ウォンツに該当するのか、これを知ることは成功確率を高めるための販売戦略を立てる上で非常に重要なことです。
大手とガチンコ勝負をするのは、別に格好よいことでもありません。やはり、ビジネスの世界においては、いつでも『とにかく勝つ』ことが一番格好いいことでしょう。
自社の新しい商材に悩む中小企業経営者の方は、たまには「極端に違う視点」ででも考えてみれば、良いアイデアが出てくるかもしれませんよ。
(私も常日頃、頭の中で新たな商材を探しています。)