『あなたの給料は上がる?③』
ここまでの記事では、
(特に中小企業においての)給料の主な特徴として、
①給料は利益から出ている
②社長が上げる気にならないと給料は上がらない
という2点を中心に確認しました。
さてさて、それでは「あなたの給料が今のままで上がるかどうか」。飲食店の店長さんをイメージして具体的に考えてみましょう。
あなたの給料を上げ続けるために必要な目線
「業種によっては売上げに限界がある」
給料をあげるために、売り上げを上げてアピールするぞ!
頑張れば頑張るほど、売り上げの伸びる可能性のある営業職では意識しにくいことですが、飲食店などでは、現実的な売上には限界があります。
飲食店は、客単価、滞在時間、客席数、営業時間、曜日や季節、などの要素から、おおよその売上の上限は読めてしまいます。
売上の上限と言っても、開店から閉店まで『ずっと満席で行列』などというお店は、ごく一部を除いてほとんど存在しません。
なので、その限界売上高はまず実現しないわけです。
それでも普通の飲食店であれば、まずはこの『営業時間中常に満席』という人気店を目指し、数々の施策・改善・見直し等を行いながら頑張ることになります。
例えば…
- 仕込時間を兼ねてランチ営業も開始
- 弁当やデリバリーを始める
- メニューの変更
- 割引クーポン等の配布
- 従業員のシフトを削減
- 思い切って暇な時間はクローズ
普通の飲食店であれば、店長さんにできることは、ここで終わりでしょう。
そもそも、お客さんの入れ替わりが非常に激しい飲食店で、どんなに工夫をしたとしても常時満席の人気店になることは非常に難しいです。
それでも、このような工夫によって店舗の売上が上がり、同時に利益も上がれば、その分店長の給料があがる可能性は高まります。
でも、このような工夫の効果が常態化し、それ以上利益が上がらなくなってしまった場合には、それ以上の給料アップは見込めないことになってしまいますよね。
売上が限界に到達してしまったら?
たとえば、常時満席のような『超人気店』においては、すでに(売り上げに関する)工夫の余地がほとんどなくなっています。
それでも、「より少ない人数でお店を運営する」とか、「客単価を上げる声掛けを徹底する」とか、最大限利益を漏らさないように考えできることは、まだいくらでもあることでしょう。
でも、同じ30点アップでも、40点を70点にするより、70点を100点にする方がはるかに難しいのです。
これは、受験勉強などをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
それでは、”経費カツカツ”で”常時満席”。つまり、費用削減・売上最大化ともに、ほぼ満点に近い数値に到達しているお店の店長の場合。
さらなる給料アップを、どのように狙えば良いのでしょうか?
答えは、
「経営者になってしまうこと」
です。
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会社の成長戦略に関わる人材
経営者になる→「独立すること」と思われるかもしれませんが、会社内で昇進し続けることも最終的には、経営者になる(近づく)ことと同じです。
そして、経営者目線では…
- 多店舗展開をする
- フランチャイズ展開
- 海外展開
- メディア露出で客を呼び込む
- 物販や通販の可能性
- コンビニなどと提携
- 異業種に進出
このようなことを考えることになります。
さらなる給料アップのためには、あなたが最終的にこのような「会社の成長戦略に関わる人材」となる必要があります。
職人的な気質のある職場ほど、現場に対するこだわりの強い方が多くいたりします。
「本部は、現場の問題を知らないで、偉そうなことばかり。俺たちがいなけりゃ、現場は回せないんだぞ!」
それはその通りなのですが、
「より高い給料をもらう」という点に焦点を当てるのであれば、いつまでも自分が現場に立っていることは、あまり効率の良いやり方とは言えません。
なぜなら、あなたの給料が高くなったら、さらに給料の安い他人に代わってその仕事をやらせた方が、会社としては儲かることになってしまうからです。
経営者目線の人材になろう
以前の記事で、「経営者感覚を持った社員なんてまずいない」という記事を書きました。
これは逆の見方をすれば、
「経営者感覚を持った社員には、ものすごく価値がある」ということです。
給料を上げようと思ったら、まずは会社の業績を上げる。
それで結果を出し、自分に自信もついたら、「もし自分の会社だったらどうするか?」という視点・気持ちで、もう一度自分自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
あなたの給料アップのために、やるべきことが見えてくるかもしれません。