「税理士紹介会社の話(=税理士への顧問先紹介会社)の話②」
前回からの続きです。
税理士紹介サイト。
税理士側からすれば、『顧問先紹介サイト』です。
最近、TVCMでもよくやっている「保険の窓口」や、その他には「家電の比較サイト」、それに「飲食店の評価サイト」なども、趣旨は似ているかもしれません。
あなたが税理士を探している側であれば、税理士紹介サイトでエリアや得意分野、希望価格帯などを登録すれば、マッチングされあなたに合った税理士が紹介されることになります。
さらには、場合によっては「顧問料○月間無料」など、さらなるサービスがつくこともあり、しかも無料です。
税理士にとっては無料でない税理士紹介サイト
「顧客の希望通りの税理士を、無料でマッチングしてくれる!」
ということで、税理士紹介サイトは、税理士を探している人や税理士自身、双方に良い話のように思えます。
しかしながら税理士紹介サイトも商売です。
どこかからお金を取らねば、経営として成り立ちません。
つまり、お客様の方がタダなら、当然税理士からお金を取るしかありません。
私自身も利用したことがありますが、税理士紹介サイトには、「毎月定額型」と「成功報酬型」、そして「抱き合わせ販売型」があることをいままでに確認しています。
税理士紹介サイトの料金体系
税理士業は、ストック型の商売です。
ストック型というのは、契約を取るのは難しいけれど、いったん取ってしまえば長期継続が期待できる資産タイプであること。
実際、税理士をコロコロ変える人はあまりいません。
なぜなら税理士は、自分の財産からプライベートまで、ほぼすべてをさらけ出す相手だからです。
そのためには、一定の信頼関係が無いと成り立たず、ひとまず関係が築かれた後では、(ふつうは)よほどのことがない限り変更しないのです。
また、いざ変更するとなると新しい税理士に対して、過去の経緯の説明や資料の再提出などが必要になります。
これはお客様からとっても、かなり面倒臭い作業ですよね。
なので、税理士契約は、基本的にはずっと継続です。そのため、『紹介の価値』は高く、その結果、顧問先紹介会社の価格設定も、強気なものとなっています。
以下ではそんな強気な価格設定である、税理士紹介サイト経由のサービスパターンを見ていきましょう。
①毎月定額型
→単純に、WEB広告を出しているようなものですね。
税理士としてサイトに登録し、毎月、定額の支払いを求められます。また、支払い金額を上げれば、「さらに(同サイト内で)、上位に表示される」と説明されます。
とはいえ、基本的には求人サイトと一緒で、当たるも八卦、当たらぬも八卦。リンク先の自社サイトに自信があるなら、使いようもあるかもしれません。
②成功報酬型
→紹介会社が集めた見込み客を、会員である税理士に紹介してくれます。契約に至らなければ料金が発生しないため、(紹介サイトの)営業さんがとても”ガツガツしている”印象です。
実際に見込み客と接触できるのは、非常に魅力的ですね。
ただし、成功報酬は、ナント年間顧問料の50~75%にもなります。
予算やお客様との相性が合わないと思ったら断ることもできますが、あまり断り続けると営業さんからの印象が悪くなるためか、紹介自体が来なくなるようです。
③抱き合わせ販売型
→事務機器や会計ソフトのメーカー、または営業会社等、中小企業と接触の多い会社が、
『自社製品を買ってもらうことを条件に、顧問先を紹介する』
というスタイルの税理士紹介サイトです。
当然のことながら、その製品は非常に割高だったりします。
一方で、会計ソフトのメーカーなんかは、自社ソフトのシェア拡大という目的もあるためか、タダで顧客を紹介してくれるシステムであることも多いようで、こちらはまだ良心的なように思えます。
それでは結局、税理士紹介サイトは、「よいサービス」と言えるのでしょうか?
【またもや続く】