太陽光発電はもう減価償却できないんですか?【質問と回答】

太陽光発電 減価償却
「コメントに質問を頂きました太陽光発電」

先日、記事のコメント欄で、こんなご質問を頂きました。

「太陽光発電を購入して減価償却で節税予定でしたが、今期からはできないと言われました。方法はないのでしょうか?」

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太陽光発電と減価償却

その質問にお答えする前に、税理士はその仕事の性質上、発言に責任が伴います。なので、あまり軽はずみには答えられません。

少なくとも、直接コミュニケーションを取れるお客様と違い、色々な条件や置かれている状況の詳細等も分かりません。

この質問文だけを頼りに、一応お答えさせていただきますが、以下の回答を実行していただいたことにより、万が一何らか問題が発生しても、責任は負いかねます

一応、その点をよくご理解していただいた上でご参考下さい。

太陽光発電設備の減価償却と税法上の特例

まずご質問者の方は、今(ちょっと前?)に流行った「太陽光発電での売電」をやろうとしているようです。

それに、「100%即時償却(一括償却)ができない」のと、「減価償却ができない」とを混同しているようにも思われます。

法定耐用年数を基準とした、減価償却じたいは、今でももちろんできますよ。

でも、最近まで税法上認められていた、”特典”はなくなりました。

「売電」が始まった当時は、政府が普及させるために、売電価格も高く設定されており、税制上の特典も用意されていました。

でもそういった特典というのは、普及あるいは政府の方針転換と共に順次変わってきていくものです。

このような政策転換とともに既に廃止になった「税制上の特例」としては、環境関連投資促進税制や生産性向上設備投資促進税制といったものがあります。

国税庁、環境関連投資促進税制

国税庁、生産性向上設備投資促進税制

これらの制度は、太陽光発電の設備を買った場合に、その費用全額を一度に経費にしてOKという優れものでした。

なので、当時としてはものすごくインパクトのあるものだったんですね。

事業用の大規模な太陽光発電の設備なら、数千万円なんてザラですし、個人的に数億円なんてのも見たことがあります。

その費用の全額が、

通常の減価償却の場合、例えば法定耐用年数17年を用いての「17年かけての経費化」という手順等を踏まず、この「税制上の特例」を利用すると、購入事業年度の一度で、全額が経費計上にできることになっていたのです。

一括費用計上することにより利益は圧縮され、その分、”余計な”税金を支払う必要がなくなるわけで、お手軽な「投資と節税の合わせ技」として、一部の金持ちの間で大フィーバーしたのです。

しかしながら、現在はこれらの特典は廃止されてしまいました。

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中小企業経営強化税制が適用可能かどうか検討してみては?

そんなあなたにも、朗報?

それでも、類似の制度は一応生き残っているんですね。

それが、平成29年4月1日より新設された中小企業経営強化税制という制度です。
中小企業庁・経営力工場設備等の対象と「経営力向上計画」の申請様式が変わりました!

※国税庁のサイトは未整備のようです。

中小企業経営強化税制(平成29年4月1日~平成31年3月31日)
中小企業者等が、認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得し、指定事業の用に供した場合、即時償却又は税額控除※を選択適用することができます。
※取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)

「即時償却」又は「税額控除」を選択適用できる、とありますね。

ところが、この制度のQ&A集(中小企業経営強化税制、固定資産税特例)では、このような一文があります。

Q.売電のみを目的とした太陽光発電設備の導入は対象になるのか。

A.全量売電の場合には、電気業の用に供する設備になると考えられます。
電気業については中小企業経営強化税制の指定事業に含まれておらず、対象となりませんのでご注意ください。

但し、その営む事業が指定事業に該当し、全量売電ではなく発電した電気の一部をその指定事業に使用している場合(例えば製造業の工場で使用)については、対象となります。」

ふむふむ。

ちょっと難しいでしょうか?

要するに、今までの売電専門のように、電気業にあたる「完全に投資目的のもの」については、もう特例を認めないというわけですね。

しかし、本来の業務が指定事業に該当し、全量売電でなければ、「一部売電(完全投資目的ではない)」として、今でも使えそうにも読めますよね。

(ここが税理士の仕事の難しいところです。)

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まとめ

とはいえ、条文で完全に禁止されていなくても、ちょっと形式を満たした程度では、租税回避行為(要するに、脱税のようなもの)として”税務署にやられる”可能性があります。

例えば、

毎月数百万円の売電収入があり、そのうち数千円だけ自社管理の自動販売機につないで自社利用しているような場合をイメージしてみて下さい。

「ほれ、これで完全に投資目的じゃなくって、一部売電になった!」

って思われますか?

いえ、いえ。甘い甘い。

理屈上は確かに、「一部売電」ですが、常識的に考えてやりすぎな感じがあります。

この”常識的な範囲”というのが曲者なんですが、その辺のさじ加減は、きちんと税理士や税務署とやり取りしてOKをもらってからにして下さい。

どうでしょうか? 少しは参考になりましたでしょうか。

でも、繰り返しになりますが、

「上記の条文等を頼りに”節税策”を実行したのに、税務署に認めてもらえなかった!」

なんて言われても、私は責任取りませんからね。

担当税理士とよく相談して下さい!

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