ビットコインについて②
前回は、ビットコインに関する税金の取り扱いについて。
ビットコインは雑所得。
そして、雑所得は節税には向かない。
残念ですねぇ。
そうはいっても、やろうと思えば節税の方法はあるはずです。なので、今回は税理士としてちょっと考えてみました。
ビットコイン(暗号通貨)と節税プラン
ビットコイン等の暗号通貨関連は、まだまだ法律が未整備のため、国が今後どういう締め付けをしてくるかは私にも分かりません。
なので、今回考えてみたアイデアがうまく機能するかは未知数ですが、理屈上は成立しているはずです。
ビットコインの節税。
①毎年の利益を20万円未満にする
スケール・メリットは小さいものの、安全策です。
確定申告義務なし。
株式投資や不動産投資等、「他に確定申告する理由のあるサラリーマン」を除いて、年末調整をして、給与以外の所得が20万円未満であれば、そもそも確定申告義務がないんですね。
とはいえ、値動きが「トンデモナイこと」になっているビットコイン。
暴騰前から取得した幸運な人にとっては、それなりのボリュームを保有しながら、利益確定せずにチビチビと換金し続けるのは現実的ではないかも。
でも、儲けや他の所得が小規模な方であれば、このやり方でも十分に対応できるでしょう。
そもそも、税務署が小規模な投資家の利益を、正確に把握しているのかもはなはだ疑問ですけれど…。
②法人で所有する
ビットコインは、個人でしか所有できないと思い込んでいませんか?
仮想通貨取引所は、法人でも口座開設することが可能です。
個人の所得税の場合は、収入の内容によって「給与所得」とか、「事業所得」、ビットコイン(暗号通貨)の「雑所得」など、所得の種類によって『〇〇所得』と細かく分類されていますが、法人にはそれがありません。
収入(売上)は、全部まとめてガラガラポンです。
その場合、税率差でこういうことが起こります。
個人 15%~55%(住民税含む)
法人 (利益ベース)800万円まで約23%・800万円超の部分は約34%
個人の場合の住民税まで合わせた最高税率は55%。
法人は最高でも34%程度。
したがって、「けっこう儲かる」のであれば、個人よりも法人で所有した方が税金は少なくなります。
また、儲からなかったときの赤字も、個人と違ってマイナスが消えてしまうわけではなく、「最大9年間将来の利益と相殺」ができます。
もちろん、もともと法人を持っている場合はともかく、ビットコイン投資のために、わざわざ法人を作るとなれば、設立コスト・維持コストはかかってくるため、その点には要注意です。
③ビットコインが投資商品に組み込まれたものを購入
変わり種としては、
今後出てくるかもしれない、ビットコインに投資するような投資信託を買う。
または匿名組合に出資したりすることも、税金面では法人で所有するような効果が得られるでしょう。
ただし投資信託の場合は、信託手数料等があるため、自分で購入するよりも割高になります。
それにファンドの方向性と自分の方向性が完全に一致するのは難しいことや、ファンドそのものの信用調査も必要になること等、調べるべきことは格段に増えますから注意してください。
ところで投信信託ではありませんが、ビットコインに絡んだネットワークビジネスも非常に多く見られます。
例えば、そのファンドに投資や会員になると、「リターンとしてビットコインが支給される」というようなもの。
ただ、こういう仕組みの場合、単純にリターンとしてビットコインをもらうよりも、その団体に再投資をする方がリターンを高く設定されていたり、独自の取引所を使うことを強制されたりするようです。
そういう仕組みの場合は、ある日突然ビットコインの引出ができなくなったり、換金ができなくなったりする詐欺であるかもしれません。私の知人でも”やられた話”を聞きました。
まぁ、投資なわけですから、リスクは覚悟しておく必要はありますね。
さて次は、「私は何故やらないのか」について触れたいと思います。
そう、私はビットコインを買ってません!
(さらにつづく)