税理士事務所は自宅が良いか、借りるのが良いか?
今回は独立する税理士が、結構な割合で悩むことになるテーマです。
それはズバリ、
『税理士事務所は、自宅にするかそれともオフィスを借りるのか。』
もちろん、
「自宅は持ち家と賃貸のどちらが有利か?」
という話題と同じで、人それぞれで絶対的な答えはありません。
でもそれを言ってしまうと話が終了。
なので独立開業して成功していると言える私なりに、私の周囲の税理士の意見などを参考に話を膨らませることにしましょう。
では、まずは、それぞれの言い分から…
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自宅派のメリット
まずは、自宅で開業派のメリットです。
・いつでも仕事できる
・通勤時間なし
・後で事務所を検討してもOK(事務所移転より簡単)
事務所を借りる派のメリット
事務所を借りちゃう派のメリット。
・従業員を雇用しやすい
・気持ちのオンオフの切り替え
・応接などお客様が訪問しやすい
・立地しだいで営業効果
どれもこれも当たり前のことですかねー
私の場合は、独立直後から2年間、自宅の一室を事務所として使いました。そしてその後、初めての従業員を雇うタイミングで最寄り駅の近くに事務所を出しました。
その結果、思ったことを並べてみます。参考になるかな。
あくまでも私見としてお考え下さい。
① 自宅(兼事務所)を購入する際は慎重に
自宅をまだ購入していない方で、自宅を事務所にする可能性のある方の場合は、まずは立地をどこにするかよく考えましょう。
単純な通勤時間や、駅や高速道路へのアクセスの良さが重要なのは当然のこと。
さらに、「銀行や役所が近くにあるか」は地味に仕事のしやすさに影響を与えますね。銀行なら都市銀や地銀、信金といったそのエリアの主要な金融機関が一通りそろっているか。
さらにさらに、役所なら税務署のみでなく、県税事務所、市役所、法務局、労基署、ハローワーク、年金事務所、警察署などなど、役所はあればあるだけ便利です。
これはどうせ後で事務所を外に出す予定にしていたとしても、自宅の近くにある方が楽であることは間違いありませんね。
② 仕事とプライベートのスタイルを決めよう
じつは私の場合は、完全に自分が訪問するスタイルな税理士のため、応接は不要でした。
そのため、自宅兼事務所であることに不便を感じたことはありませんでした。
でも、お客様に来てもらうのであれば、あまり住宅地のど真ん中だったり、マンションの管理規約の制限で看板を出せなかったり(この点は開業時に税理士会のチェックも入ります)、あるいは応接に行く際に生活感のある部屋の横を通過したり、というのは嫌がるお客様もいるかことでしょう。
それに自宅に小さな子供がいると、書類をいじられたり、電話で騒ぎ声が入ってしまったりという不便もあります。
これらは、私にも経験があります。
あまりうるさいと作業効率は落ちますし。
後は、家で仕事している時でも、気分転換にと多少はネットサーフィンすることだってあります。でも、なぜかそういう時に限って妻に見られているんですよね。
「遊んでいるなら、家事や育児を手伝ってくれてもいいじゃない!」
これには参ります。
自宅兼事務所開業の場合、こういったいろんな問題は必ず発生します。なので、独立後の自分の方向性は決めておいた方がよいでしょう。
③ やっぱり事務所はあった方がよい
私は仕事が軌道に乗ってきてから事務所を出しましたが、今では最初から事務所を出していてもよかったなとも感じています。
その一番の理由は、事務所はやっぱり自分の城だからです。
別に立派な所長室があるわけではありません。
でも時に飲んだくれて帰ってきたときに、「今日は事務所で寝ていくか」みたいなこの自由な感じは何物にも代えがたいですね。
後は、趣味のものを妻にばれずに保管しておけるとか(笑)
または、キャッシングの郵便物を妻に見られなくて済むとか(笑)
…
…。
事務所を確保したことにより、私が自由になったことや、人目を気にしなくてよい場所があること、一人で考える時間を確保できること、これらは独立当初思っていたよりも重要でした。
そして、このような願望を実現しようとするなら、やはりお金はかけざるをえないものだと、よ~~く分かったのであります。
というわけで税理士開業にあたっては、事務所は無くても自宅兼事務所で十分ではありますが、やっぱり事務所があってよかったと思っているのでした。