税理士の顧問料はどのようにもらってる?
今日は税理士業界の内輪のお話。
これから開業する税理士、開業したけれどもなかなか苦戦している人にとって何かしらの参考になればいいですね。
「税理士顧問料の受け取り方」についてのヒントになるかも。
開業税理士と顧問料の決め方
税理士の顧問料のお話は、以前の記事にも書きました。
料金の種類として、3層構造に分かれていたんですよね。
② 毎「年」発生するもの(決算、年末調整など)
③ 臨時で発生するもの(融資の手配やコンサルティングなど)
臨時的、偶然的な要素の強い③のオプション料金はさておき、①と②は年間でみると開業税理士にとっては継続的な売上となります。
以前の記事とは、少し分類方法が違っていますね。
今回は「売上金の回収タイミング」に焦点を当てるため、仕事の本質ではなく発生するタイミングで分類してみました。
ちなみに、私が開業前に”修行”した会計事務所では、①を毎月徴収し、②をその時期がきたら随時もらうような仕組みでした。
しかし現在の私の事務所では、①と②をコミコミで年間総額を計算し、12等分したものを毎月定額で頂くようにしています。
もちろんそれにはこちらの意図があるからです。以下では、それぞれのメリットについてお伝えします。
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顧問料を「サービス時にその都度請求」するメリット
① 毎月のコストを安く見せられる
例えばネット広告で「顧問料○○円~」と謳いたいときに有効です。
(でも大抵、一定のサービスを受けるためには何らかのオプション等が必要で、実際の年間額はもっと高くなるはずです。数字のマジックというか、よくある手法ですね。)
また、社長仲間同士の自分の税理士顧問料を比較するような話題が出たときも、最初は年総額ではなく、月額がいくらかで話すことが普通でしょう。
なので、「うちの顧問料はあの社長のより安い(だから俺は得している)!」なぁんて、よそに関心が向きにくいのかもしれません。
② 臨時的なコストを都度加算しやすい
1年を通して毎月定額の場合と違って、その都度請求だと、その分請求書をやり取りする頻度が高くなります。
なので臨時的な内容に対する費用請求も、「今回は〇〇の作業分が追加されている」ということを自然な流れで説明しやすいと思います。
たとえば、税務調査時の立会い費用なんてものは臨時的なものですが、毎月定額の場合、いつも全部コミコミだと思い込んでいる社長には、あらためて丁寧に説明をしなければいけません。
その点、いつもその都度請求している場合では、すんなり受け入れられやすくなります。
顧問料を平均化して請求するメリット
① 請求の手続きが楽
なんといっても、こちらはこれが一番です。
とにかく請求が楽。
毎月定額なので社長様も必要残高を計算しやすいためか、口座引落や振込のミスも少ないです。私の場合は毎月自動引き落としを利用しているため、一年を通じほとんど請求書も発行しません。
② 未回収リスクが少ない
お客様の業績によっては、まとまった金額となりやすい「決算料」が支払えないというような事態も考えられます。
その点毎月定額顧問料であれば、お客様の資金繰りの計算にも入れやすく、その定額分を支払えないようなら、最悪顧問契約を解除する段取りも自然にできます。
決算料の未回収なんて結構な金額になるでしょうから、回収できなかった時のダメージは大きくなってしまいます。
③ お客様の乗り換えタイミングが難しい
こちらはオマケ。
税理士にとっては悲しいお客様による別の税理士への乗り換えですが、毎月の顧問料に決算料の12等分した金額が加算されているので、(お客様にとっては)決算まで続ける方が割安になります。
「今回の決算はもう別の税理士にやってもらう!」なんて、決算間際に解約みたいなことが起きにくくなるんですね。
まぁ、実際に乗りかえされてしまうような信頼関係の場合、そもそも引き留めたいのか?という別の問題はありますが…
顧問料の決め方も工夫できる
いかがでしたか?
顧問料の回収の仕方だけで劇的に何かが変わるということはないでしょうが、事務作業やちょっとした値上げ交渉の時など、ちょこちょこ顔を出す話題です。
何かの参考になれば…。
ちなみに私は自分の資金繰りの都合もあり、毎年1月に「年額一括前払い」をしてくださるお客様には5%割引をするサービスも行っています。
これは私の借金体質のせいもありますが、信頼関係ができていてちょっと数字に強い社長の場合には、年払いを選択してくれます。
こういう金融の方法もあるということですね。