不動産投資の営業に気をつけろ!(新築マンション)①
これは私の友人などから時々相談される話なんですが、「新築のマンションの一室を買いませんか?」という営業の電話がかかってくるけどどう思うか、というもの。
業者がどのように名簿を集めているかはさておき、きちんと上場企業のサラリーマンや公務員など、融資を受けられそうな人を狙い撃ちしています。
記事のタイトルからもわかる通り、私はこれらを完全否定派です。こういう物件は絶対に買ってはいけません!
新築マンション投資がおすすめできない理由
以前の記事でも書きましたが、オープン情報(誰にでも公開されている情報)から大儲けなんてできないのですよ。
それどころか、こういうケースでは一千万級の損を抱える可能性があります。購入を検討しているような人は、頭を冷やして…いいや、肝を冷やしてゾッとしてください。
今回はその理由について書いていきます。
私が警鐘を鳴らしている物件の典型的な事例は以下のような感じです。
- 都市部の新築で区分所有マンション
- 利回り4~5%
- 金額は2000~3000万円
- 投資の目的が節税や年金?(はぁ?)
いいですか、良ーく聞いてくださいね。
こんなもの、絶対に買ってはいけません!
なぜ買ってはいけないのか?
① 「都市部の新築で区分所有マンション」はやめておけ
新築物件というのは、一般的に建築会社の利益が20%程度上乗せされています。
それは、買って誰かに貸した(中古になった)瞬間に、含み損が20%発生することを意味します。
とはいえ都市部であること自体は有利な条件と言えます。しかし、逆に考えてみれば、不動産は相場があるものなので、都市部で相場通りの金額で買った場合、新築の含み損がより明確になります。
もちろん、物件の所在エリアの人気が上がり、値段が上がることも期待できなくはありません。でも今後の値上がりを狙えるほど勉強しているような人は、そもそもこんな業者から買わず、確実に自力で仕込みます。
また、「区分所有を購入すること」自体はおかしなことはありません。
一般的なことです。
しかしながら、区分所有の場合は、自分一人では何も決めることができなく、毎月管理費・修繕積立金というランニング・コストがついて回ります。
空き家状態のままなら、毎月キャッシュアウトとなる負の資産と同じ。
将来古くなった場合には諸経費が上がり、大規模修繕に際しては積立金が足りず臨時支出が必要となる可能性があったり、さらには同じマンションの他の区分所有者がお金に困っていて、結局費用が集まりきらずに大規模修繕はほったらかしとなり、荒れてますます借り手がつかなくなるかもしれない、などのリスクがあることを認識すべきです。
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② 「利回り4~5%」はやめておけ
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があるのを知っていますか?
表面利回りは年間賃料÷本体価格です。例えば、3,600万円の物件で、月15万の賃料収入だったら3600÷15=180なので年間180万円の表面利回りは5%ということになります。
一方で実質利回りの方は、(年間賃料-諸経費)÷本体価格です。実際の会計上の利益の割合ですね。もちろん、不動産投資を検討する人が重視しなければならないのは、この実質利回りの方です。
表面利回りに騙されてはいけません!
とりあえず、ここでは諸経費に「減価償却費」を含めないこととします。
3,600万円の物件で、月15万の賃料収入、管理費・修繕積立金が月3万、不動産会社の管理費が月1万円(実際には相場はもっと安いですが)、ローンの利息が月6万円(年利2%と仮定、元本を返済していくとどんどん減っていきます。)固定資産税が年15万円だとしましょう。
(15万×12か月)-(3万+1万+6万)×12か月-15万=45万円(年間純利益)
45万÷3600万=0.0125 となり、
つまり実質利回りは1.25%ということになります。
通常の状態で利益がこんなに薄いわけですから、空室になったり、住人さんの入れ替えで修繕が発生したり、不動産会社に仲介手数料を支払ったりすると、あっという間に利回りはマイナスになります。
さらに言うと、利回りとキャッシュフローは異なります。。
利回りには借金返済を含まないのです。利回り1.25%などの場合、借金返済まで含めると毎月の手元現金は、むしろ減っていく可能性の方が高いのです。
恐ろしい…
【続く】