税理士が破産をすすめている話①

破産を勧めている話①

税理士をしていると、いいことだけではなく、いろんな不幸な場面にも出会います。
詐欺、横領、事故、裁判、破産、離婚、などなど・・・。

どれもできることなら関わりたくないものですが、仕事柄そういうわけにもいきません。こういう不幸だけに限らず、税金に関しても言えることですが、私はとにかく『不意打ちを食らうことが一番イヤ』です。

節税でもそうですが、前もって可能性を見込めていれば、様々な問題に対してもまだ対策を練ることができることを理解してもらいたい。

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破産のススメ

とはいえ、犯罪や事故は基本的に突発的に発生してしまうし、離婚などは言い出しにくいことでしょう。また、悪いことほど他人に言えないという心理状態も、ある程度理解はできます。

でもその結果、選択肢というか、使える対策も少なくなっていくんですよー。

さて、前置きはこのくらいにして、今日はとある破産にまつわる、事実に近いお話を。
(さすがに生々しいため、多少のフィクションも入れてます)


紹介で知り合ったあるお客様。

「今の税理士が頼りない」そうで、「誰かいい税理士知らない?」と、私の共通の知人に紹介を依頼したのがきっかけでした。初ミーティングはファミレスでカジュアルな感じ。

それで話を聞いてみたんですが、業績は…正直、厳しいでしょ。こりゃ。

まだ設立5年目にもかかわらず、すでに赤字の累計が3000万円もありました。これが多少でも業績が好転していれば頑張りようもありますが、設立以来ずっと黒字化したことナシ。軽い気持ちで新しい事業に手を出しては、失敗してすぐ撤退の繰り返し、という。

正直、いままでどうやって生活してきたのか不思議なレベルです。

でも資金繰りは、融資で何とか回してきたようなんですね。でもそんな状況に嫌気がさしてなのか、そんな業績の中なのに『営業』と称してキャバクラに通ったり、毎月20万も30万も交際費を使っていました。

現状を整理するとこんな感じ。

① 税金や社会保険等役所関係の未払い 1000万円
② 金融機関からの借入 3000万円(リスケ中)
③ カードローンや親族からの借入等 1000万円
④ 現時点で業績の好転の見込みやアイデア なし

あぁ、これは厳しい。
決算書を見ながら直感的にこれはダメだと感じました。

そして、

破産を勧めるしかない』とも。

ただ、不幸中の幸いというか、相対的に良い条件もあったのです。

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① 家や車などめぼしい財産 なし
② 不思議と人望あり (従業員を含め、助けてくれる仲間多数)
③ 妻子ありだが、破産しても実家に同居が可能で生活が変わらない
④ 親にそれなりの財産があり、将来的にそれが転がり込んでくる
(ついでに家族仲も悪くない)

いやー、助かりました。
これは答えが簡単です。

やっぱりどう考えても、破産するしかない

この方は大変恵まれています。頼れる家族や仲間もおらずに、本当にすっからかんで破産する人たちが大勢いる中で、これだけ好条件が整っているなら、破産してリスタートした方が合理的に決まっています。

始めてのミーティングで、人間関係がほぼ構築されていない状態でいきなり破産を勧めるのも気が重いのですが、これだけわかりやすい条件が整っていれば、私のポリシーとしても破産を勧めるしかありません。

なので、素直にお伝えしたところ、とりあえずその日は

やっぱりそうですかー」とかなんとか言ってその方は帰っていきました。

さて、この方はその後はどうなったでしょうか・・・?

【続く】

税理士が破産をすすめている話②
破産を勧めている話② 前回からの続き。 とりあえず破産を勧められて納得した様子の社長。 その後、顧問契約の切り替えも順調に進み(とはいえ破産までが契約期間という私とし...
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